ネタばれ注意:『ゴールデンカムイ2話』物語解体

 読者の皆さんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。4日の深夜から5日の朝にかけて雨風がひどくなるとの予報を聞いてちょっとワクワクしている西向くです。
 子供の頃は雨が降るとワクワクしてたまらない子供でした。大人になるとそれはなくなるものかと思っていましたが、そんなことはなくて、大人になってもワクワクしたままです。
 雨の日の岩屋山は清廉な空気がして好きです。クマがいない九州に生まれたことを幸せに感じます。

 さて、今回はゴールデンカムイの2話目です。

ゴールカムイ一つ表紙jpg

 1巻においての2話目です。基本的には読者を意識するべきだと思いながら、西向くのメモ帳にも近いものと考えてブログを作成しているので、文字数が少ないときと多いときの差は激しいものがあります。

 さて、2話目の考察始めます。

 実をいうとあんまり物語の進展はないのかなぁ。という気持ちがします。

 第2話 ウェンカムイ

 2話は情報量も少ないので、短い記事にできるかもしれない。

 起:アシリパの指導の元、夜撃ちの準備を行う。
 承:本編始まって3ページ目にて、さっそくヒグマ登場。暴れに暴れる。佐一は敵の懐に潜り込んで、難を逃れる。アシリパの渾身の一射も頭蓋骨にはじかれてしまう。
 転:絶体絶命のところに、エゾ狼のレタラがアシリパの前に立ちはだかる。態勢を立て直した二人はアシリパの助言を元に、佐一がマタカリプを倒す。
 結:お互いの自己紹介を行う。先ほどの狼について誰何をする。アシリパは何も言わない。お互いの今後の目的を話す。問答を繰り返す。結果、二人は協力を約束。

 登場キャラ

 杉本佐一
佐一
 2話での動きとしては、雪山でいきることに詳しいアシリパを仲間に引き込むことに成功する。物語としての役割としては、主人公というのはメンターに手を引かれて、前に進み、知らず知らずのうちに自分で歩いている。というような書き方が西向く主人公だったりするのだけども、この物語では主人公の杉本佐一は自分で強い目的をもって、自分で歩くベクトルを決めている強さが見受けられる。物語のどこかで彼の弱さが出てくるようになるのだろうか。佐一はたくさんの人を殺した。血の匂いが染みついている。

 アシリパ
アシリパ
 2話で初めて脂汗を描かれたのが印象深い。1話のときは母羆を相手に平然とした様子で立ち向かっていたのに、2話においては彼女の焦りが見えた。ここで、ちゃんと彼女の血肉の通ったキャラクターとしてが一部見えた。しかしながら、距離が詰められた後に、山刀をとりだし、応戦の姿勢を見せたときに彼女の強さが見える。
 当初は佐一に協力することに対して、ためらいを見せたが。佐一の説得内容がよかった。
「金塊を見つけることがおやじさんの敵打ちになるだろう」とのこと。彼女は人を殺すことが、地獄に送られる要素であると信じている。その逸話が佐一の心を昂らせた。

 マタカリプ
マタカリプ
 主人公たちにとっての脅威。物語の障害となるのか。だけど、主人公の心は一切くじけてないからどうしようもないな。主人公が強すぎるのか。

 レタラ
レタラ
 唐突に表れた。アシリパの大事な友人? という扱いであるだろう。今後の取り扱いにもそれは顕著に表れる。アシリパの弱みとも強みとも取れる存在。彼女の大事な大事な友人。父を失った彼女にとってそれは大きいことだろう。

 物書きとしての収穫
 実は西向くというのは、タイトルをつけるのが苦手。その点ゴールデンカムイというのは、タイトルにすべての目的が載っている。
「ウェンカムイ」
 悪い神様という意味だ。
 これは人を食べて、悪い神様になった羆をさす言葉であり、人を殺したものは地獄に落ちるのだ。というアイヌの信仰、伝承にまつわる単語である。
 人を殺して、殺して、殺しつくして日本に帰ってきた杉本佐一の心を少なからずざわめかせる。
 彼の強さでもあるし、彼のキズでもあるこの話題は彼を苛み続けると思われる。だけど、彼はすでにその痛みを飲み込んで寄り添っているように思う。
 主人公は強くてもよい。しかしながら、その強さを手に入れる代償に彼は痛みを手に入れている。彼は戦争で生き抜くというストーリーを経て、今の物語に立ち向かっている。
 ゴールデンカムイは佐一の物語が終わった後の物語なのだ。

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