ネタばれ注意:『ゴールデンカムイ3話』物語解体

 皆さんこんばんは。レンタルで借りた漫画ですから、急いでできるところまで話数稼いで返却に充てたいと考える西向く侍です。
 皆さんはいかがお過ごしでしょうか。西向くは他の漫画を読みたいと思ってきました。

 さあ、どん!

 ゴールカムイ一つ表紙jpg

 3話でございます。

 徹底的に1話ずつ考察します。

  第3話 罠

 起:餌をおかずに、リスを捕らえる罠を仕掛ける。
 承:小樽の町へ下りて、肌を見せる機会のある銭湯や色町で情報収集を行う。色町において同じ情報を収集している男がいることを知る。
 転:軍服姿の佐一とアイヌの小娘の恰好をした娘という目立つ二人で、聞き込みを行い続ける。二人のあとをつきまとう不審人物が出てくる。
 結:大型の罠でもって、不審人物を捕らえることに成功する。

 キャラ配置

 杉本佐一
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 リスが大好物だと嘘をつく佐一の顔
 今回の話は主人公とヒロインのタッグの秀逸さが際立つ物語。二人とも十分な魅力を兼ね備えたキャラクター性を発揮している。杉本佐一はその洞察力と行動力によって、入れ墨の男を捕らえる。色町の用心棒を軽くのしてしまうくらいの強さを見せつける。

 アシリパ
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 リスが本当に大好物であるアシリパちゃんの顔
 アシリパが有している知識を最大限活用し、敵を拿捕するのに役に立つ。彼の行動力とアイヌの知識を組み合わせる。

 銭湯であったおっちゃん
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 富裕層であり、金を持つ男。作中においての善なる存在と考えてよいのかもしれない。詳しい話としては彼が描かれることはないが、佐一とのコミュニケーションの中で彼の善性はあらんかぎり発揮される。
 彼のような別視点を導入することによって、佐一の体のキズが浮き彫りになる。このキズの見せつけがしたかったからこのエピソードを挿入したのだろうか?

 色町の客(男)
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 通り過ぎざまに色町の女に帽子を取られてからかわれている中年。昼間でも色町として機能している表現のためにこの男はいるのかもしれない。あと、たぶん画面中央の二人がいなかったら目つきの悪い女が昼間にたむろしている図にしかならないからか。画面を埋めるためなのかな。

 色町の用心棒
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 色町をうろつく怪しげなアイヌの少女を詰問するガタイの良いおっさん。
 この町の用心棒的な役目を持っているのか。彼の態度がアイヌ民族という特殊性というか、小樽という町において、そして色町においてのアイヌの少女の物珍しさを排除したがっている様子がわかる。
 彼は目の前の少女がもたらす災難をかぎ取ったのかもしれない。そしてその嗅覚の通り、彼はこの後佐一に恫喝をされてしまうことになる。彼こそ一番の被害者であるかもしれない。

 色町の女(3話登場)
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 色町の女の態度はアイヌの少女に対してやわらかかった。男ほどの熾烈さを表現していなかった。用心棒の立場が弱いからか? この小樽という町がアイヌが珍しくないという意味かもしれない。町の背後にはアイヌの集落が点在している旨のナレーションの説明があったからかもしれない。
 時子と呼ばれた女の話がさえぎられてしまった。
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 なにかしらの重要な情報だったのかもしれない。のちに男が吐き出す男の情報だったのか。不明である。

 入れ墨の男(鷲鼻の男)
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 罠に引っかかった男。3話時点ではあまり詳しい描写はない。銃を所持している。

 罠(人物じゃないけど、ギミックとしても考察する必要がある)
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 タイトルの通りの敵をとらえるための罠。
 この3話の伏線。アイヌの知識を披露し、読者への情報提供を行ったうえで、見事な活用を行い、入れ墨の男を手に入れた。必要のない情報ではない。読者への伏線であるのだ。
 読者へわかりやすくするために物語のラストに次の図を描いている。
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 男が3話前半で説明していた罠に引っかかったことを説明するための図と思われる。

 物書きの収穫!

 3話の物語の目覚ましい進展があったわけではないが、物語のコンセプトを読者にお伝えできた話。
 アイヌの知識を活用し、金塊を手に入れる! という話になりつつある。
 小樽という人が集まる舞台を描いたことによって、アイヌという民族が少し浮かび上がった。人は人の中に放り込んで初めて描きうるものだということを理解した。ファッションなどのセンスもそうだが、人の中にいないと自分の価値などわからん。そして、人がいないと人の視線などわからんということだ。
 なにか使える情報だろうか。
 野田サトルという漫画家は実は結構すごい人なのではないかなぁ。とか思い始めてきた。

 物語を進ませるうえでの必要事項としては、何かしらの危険の中に飛び込んで収穫を得る必要がある。それが何かの代償とともに得るものがあるかもしれない。死中に活を求めるようなものか。ことわざってすごいなぁ。おおよそその通りだもんな。
 今回は小樽という町にいき、自分自身たちを囮とし、活用している死中に活を見出したのだ。そこまでの絶望感はなかったけど。

 今回は以上!

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