考察:物語の書き出しについて

 皆さん、こんばんは。
 人は旅に出るべきなのでしょう。そして、旅に出た後、どこかに腰を落ち着けるのでしょう。それとも、死出の旅に出るべきなのでしょうか。先日読んだ『旅のラゴス』に強い影響を受けています。西向く侍です。
 いかがお過ごしでしょうか。西向くは旅への気持ちが強く出ております。

 さて、今回の記事は『小説の書き出し』について、小説を引き合いに出しながら、素人なりに考えてみます。

 最近、私が強い感銘を受けた物語である『旅のラゴス』について考えます。

『旅のラゴス』冒頭抜粋

 放浪する牧畜民族の集団に加わるのは初めての体験だった。彼らは老人や女子供を含め約四十名のグループで、五十頭ほどのスカシウマ、百七十頭ほどのミドリウシをつれ、ピタハコベなどの生えている自然の牧草地を求めて移動し続けていた。冬が近づくというのに彼らが北へ北へと旅し続けているのは、リゴンドラという北方の都市で牛馬を売るためである。おれは南への旅だった。リゴンドラの南西数キロの牧草地で彼らに出会い、ひとり旅が心許ないため彼らのグループに加えてもらったのだった。彼らと共にいったんリゴンドラまで戻らねばならなかったがそれは仕方がなかった。南方諸都市は旅人の扱いが手荒く、町によっては旅人というのは北方から奪われるための金を持ってやってきて、自分たちに殺されるだけの存在だと思っている連中ばかりがいたりするのだ。

 書き出しというものを考えるときにこの小説の書き出しは参考になります。

 本小説のタイトルは繰り返しますが『旅のラゴス』とあります。
 旅に関する何かの物語であることは明白であり、それを裏切らない書き出しです。作者は、読者はこのタイトルの小説を取り出して、旅の話が読みたいのだということを意識して書き出す必要があるのです。
 そして、その書き出しについては旅の詳細情報が冒頭に読み取れます。
「おれ」は、牧畜民族の集団に旅の安全を求めるために彼らに同行した。南の都市においては旅人の安全が保障されないような物騒な世界観であることを説明している。
 この旅が旅人にとって危険を孕んだものであることを十分に示唆している。

 最初の400文字が勝負なのです。

 読者の方がちょろっと立ち読みして、読むのやーめた。ってなるような書き出しであればそれは書いてはならないものなのでしょう。
 最初の一文に全身全霊を込める必要があります。
 今後も考え続ける必要があります。

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