『後宮小説』読了! 面白さの秘訣は萌えキャラの使用!

表題の通りです。

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来年度公募予定の「日本ファンタジーノベル大賞」へ向けて執筆を準備しています。

ついては過去の受賞作を読んでみようかと思い、第一回大賞受賞作を求めて読んでみました。

読みました。

読みましたが、これはあれですね。

西向く侍が自信喪失するほどの面白さですね。

こんな面白い小説が世の中にあふれているのならば、西向く侍が小説を書く必要がなくなってしまいます。需要のある作家にならねばなりませんね。

物語のあらすじ

時は槐暦元年、腹上死した先帝の後を継いで素乾国の帝王となった槐宗の後宮に田舎娘の銀河が入宮することにあいなった。物おじしないこの銀河、女大学での奇抜な講義を修めるや、みごと正妃の座を射止めた。ところが折り悪しく、反乱軍の蜂起が勃発し、銀河は後宮軍隊を組織して反乱軍に立ち向かうはめに……。さて、銀河の運命やいかに。第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。

物語の構造について

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私の物書きのバイブルとでもいえる、『神話の法則』において解体してみると、結構典型的な物語構成です。

起承転結 の

皇帝崩御の報が銀河の住む村に届く。

起承転結 の

入宮するための「女大学」への入学を果たす。

起承転結 の  

女大学を卒業して無事に、お勤め開始かと思われたところ国内の反乱が始まり、後宮どころでなくなる。そのまま銀河は軍を立ち上げて反乱軍を迎え撃つ。

起承転結 の

ネタバレネタバレネタバレネタバレ以下省略

物語の魅力について

書き手は歴史書を記す学者の体でこの物語を描いていきます。小説本文中にちらほらとそれっぽい引用が多く見受けられます。実在するかのような学者の名前を羅列し、研究書籍を引用します。まるで、史実であるかのように・・・・・・すべて、真っ赤な嘘です!

しかし、その嘘が巧妙であるために本書を読みながら高校時代の世界史の範囲を読み直したり、グーグル先生にたくさん質問をしてしまいました。そら確かに、銀河というあまりにもあまりな壮大な名前の女傑は聞いたことがありません。もっとしっかりしろ西向く!

嘘をついてよい職業というのは手品師小説家くらいです。そして、この作品は見事に読者をだましてのけた作品です。ここまで見事な手並みであれば思う存分に騙されて差し上げようじゃないかという気分にもなる。

嘘と現実の間をふわふわと漂うような軽妙な語り口の物語です。そして、人物描写を描く上での見事な人間臭さが描かれています。この作品はストーリーが売りなわけではないのです。魅力的なキャラクター性がこの作品の大きな魅力だと思っています。

魅力的なキャラクター!

江葉という主人公の友人となるキャラクターがいるのですが、彼女の有能な鉄仮面とかある種の萌えを体現していると言わざるを得ません。この作品が世に出たのは1989年です。西向く等まだ世の中に影も形もない時代です。そもそも種としてこの世に生まれてもいない時期です。そんなときに無口有能な萌えキャラが活躍するファンタジー小説があるとは思っていませんでした。世の中はすごい。もしかしたら、古典文学にも目を向ければ萌えキャラいるかもしれない。温故知新や。

結論

『日本ファンタジーノベル大賞』は奇抜なストーリー性ではなく、その作品世界で矛盾なく息づくキャラクター性を大事にするのではないでしょうか。キャラクターを尊重するということはその作品世界の風俗、習俗及び空気感等を丁寧に描くことに違いないのです。その結果この作品は見事にファンタジーとして成立を果たしたのでしょう。

――目指せ千冊――

ハイファンタジー(2冊読了)←1冊増!
ローファンタジー(2冊読了)
SF(3冊読了)

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