『her/世界でひとつの彼女』ネタバレあり

いろいろな葛藤や悩みを持ちながら人は日々成長していくことだと思うのです。

現在ストレスから解放されたような世の中に西向くは身を投じてみたところですが、現在は漠然とした広がりゆく世界に不安を感じるようになりました。もしかしたら、違う世界を知り、自分の身の程を知ってしまい萎縮しているかもしれません。

こういう時は結局前に進むしかないのだと思います。

皆さんいかがお過ごしでしょうか。たまに落ち込み、たまに元気になります。西向く侍です。

目次

映画を見る理由

映画は面白かった?

この映画ってどんな物語なの?(超ネタバレ)

西向くの考察、解説(超ネタバレ)

今回の発見!

 

なんで、その映画みたの? お前小説家目指すんやろ?

ストーリーを楽しむのであれば、映画でもかまわんやろ。と思うてなんでも見るようにしています。

父から勧められたので、ある映画を見ることにしました。

それが表題の映画になります。

Amazonプライムの見放題が終了する映画としておすすめされました。貧乏根性が働いている西向くとしては、見ざるを得ないと考えておりますので早速視聴です。

あらすじは『Wikipedia』から引用します。中身を見る限り間違えちゃいない様子なので。

以下あらすじ引用

 舞台は、近未来のロサンゼルス。セオドア・トゥオンブリーは相手に代わって想いを手紙に書く代筆ライターをしていた。妻・キャサリンと別れて悲嘆に暮れていた彼はある日、人工知能型OS・サマンサを手に入れる。生身の女性よりも、魅力的で人間らしいサマンサに、セオドアは惹かれていくのだった。

 

映画はどうやったん?

絶賛と申し上げたい。

人工知能との恋を描くとのことで、どのように描くのだろうか。なんて思いながら見てました。

なんてことはなかったです。

予想通りの流れでした。しかし、結末が想定外でした。

基本的にこのブログは西向くのメモ帳とも化していているので、ネタばれは平気で行われます。ご注意ください。

ネタばれしたくない人はここでブラウザバックを推奨します。

この映画はどんな物語なの?

ビルドゥングスロマン(成長物語)と呼ばれる一般的な物語のような気がします。

誰もが経験するであろう、出会いと別れ。そして、その別れに伴い痛みを負った主人公が成長をしていくのです。

ビルドゥングスロマン(成長物語)という厳格な定義をした場合。

頭の固い人はこの成長物語においては若者のみとしがちですが、西向くはそこまで限定的にしなくてもよいのかな。と思うところです。

なぜならば、成長や発見とは、若者や少年に限らず、すべての人に訪れるものだと考えるからです。

傷ついた主人公(ヒーロー)

手紙代行業の会社員として働くセオドア。

彼は人の心に寄り添い、相手のためを思う丁寧な仕事ぶりが良い評判の会社員。

彼は一年にわたる妻との別居生活中である。

つらい気持ちを持ちながら、生活を送る。そんな彼の不安定な様子を慮る友人達にも囲まれている。素敵な環境にある。

本作の主人公はある程度、成熟した男性である。あとから、自身の行動を反省するなどといったある種の理性的な行動が見られる。なにもかも未熟な少年とか、若者とかいうわけではない。

知的だけど感情的な人工知能(ヒロイン)

新しく発売された人工知能搭載型OS。

製品名は「OS1」(オーエスワン)

彼女をなんと説明するか。

彼女は自分をサマンサと名乗ります。音の響きが素敵だからそう呼んで。なんていうような女です。

セオドアが持つ携帯端末が体と言えば体になるのかもしれないです。

だけど、作中の中の彼女はひどく不安定で、完璧です。

吹き替え版の声優は、林原めぐみさん。

最近の出演作品は『昭和元禄落語心中』のみよ吉でしょうか。最近見たアニメで最も感激した。作品の一つだと思います。その中での色っぽい役目を持った、素晴らしい動きを行ったキャラクターです。

大変色っぽい声をしています。もう、この艶やかな声はどのようにして出されているのだろうかと考えるばかりです。

そんな人が息遣いまでとらえるような微細な演技が施されているのです。とろけないはずがありません。実はこの息遣いとかも、作中では話題になるのですがね。

ストーリー

本作を考える上では、各種のシーンを順繰りに切り取る必要があるので少々長くなるかもしれませんが、以下のメモを取りました。

注意:とても長いです。

 001_ストーリーの始まり

ハートフル・レター社の勤務風景から始まり、自宅に帰るまでの映像。

近未来のロサンゼルスが描かれる。

現代のスマートフォンのように、みんなが持っているハードウェアがある。名刺入れサイズ程度のハードウェア。

道中の人々がすべて同様にしている。みんなワイヤレスのイヤホンを耳にして、多くの人がいるのに、みんな独り言をしゃべっているような感じ。

友人のエイミーから週末のホームパーティを誘われる。あとから返事をすることを念頭に置いて。

メールの内容

はぁい、セオドア。ルーマンが週末にパーティをやるんだけど。一緒にいこうよ。あなたに会いたい、つまりふさぎこんだあなたじゃなくて、以前の楽しいあなたを取り戻してほしい。じゃあ、返信よろしく。エイミーより。

上記の引用からわかるように、主人公がふさぎ込んでることがわかる。

 002_自宅へ

独りで暮らすには大きすぎる部屋へ帰り、暗い室内で独り過ごすセオドア。なんだか、面白そうな3Dホログラフのゲームをしている。ゲームがうまくいかない様子で、途中で投げ出す。脇にあるハンバーガーを猫背気味に食べる。

 003_自宅ベッドにて

暗い室内、ベッドにて回想。女性(キャサリン)との結婚生活が描かれる。お互いに愛を交わしあうやり取りが行われる。幸せの絶頂のシーン。

急に暗転。

寂しいからか、セオドアはテレフォンセックスに興じる。

お相手は素敵な声の女性だったけど、途中からとんでもないプレイに飛び出して置いてけぼりになりながらも必死に合わせていくセオドア。

ここに彼のやさしさ? 優柔不断? 押しの弱さ? そういったものを見え隠れする。

 004_OS1(オーエスワン)の宣伝

エレメント社が開発した人工知能型OSの製品を知る。

 005_OS1の起動

サマンサと名乗る人工知能を起動させ、人と機械との軽妙なやり取りが発生する。

アシスタントとして、サマンサはメールの整理を頼まれる。

セオドアと人工知能の生活が始まる。

 006_サマンサのサポート

ある日、仕事でのサポートをお願いする。

仕事で書いた手紙についての校正をお願いする。

セオドアの抒情的な手紙の書きぶり、真摯な姿勢を賞賛するサマンサ。

手紙の内容を読み上げるサマンサ。(ここのシーンを見るためだけにこの映画を見てほしい。すごいかわいいシーンがあるから)

 007_エイミー、チャールズ登場

仕事帰り、自宅マンションのエレベータ前にてエイミーとチャールズがエレベータを待っている。

二人に気づいたセオドアはエイミーたちに挨拶をする。

エイミーから先週の誘いについて連絡が来ないことを非難されるけども、冗談で茶化す。

以前、エイミーがドキュメンタリー映画を作っている。とのことだった。ドキュメンタリーを作ることについてチャールズはあまりよく思っていない様子が彼の小言から見える。

会話の端々に見える夫であるチャールズの神経質なきらい決めつけの要素が見える。

それに対してあまり、良い顔をしないエイミーの様子が見える。

008_女性の紹介

ゲームをしているセオドア。それを眺めているサマンサ。

お互いに茶々を入れながら、楽しんでいた。

途中、セオドアあてに一通のメールが届く。先週のパーティの主催者のルーマンからメールが届く。

パーティに来なかったことを残念に思うこと。実は紹介したい女性がいること。実はその人とはもうデートのセッティングをしていること。の案内がある。連絡先を送るから、連絡を行うように。とのこと。

メールの仕分けをしているサマンサはセオドアのメールのやり取りや、先日は他の女性との別れ話があった旨を理解している。そんな彼女は今回のメールの件について後押しをする。新しい縁があるなら、

サマンサに押されて、デートをすることを半ば勢いで決める。

セオドアが「こんなの……コンピュータとはなすようなもんじゃない」と決めつけを行う。

サマンサは「コンピュータじゃない。あたしと話してるのよ」と、軽やかに人格を主張する。

 009_エイミー宅にて

エイミーが作りかけのドキュメンタリー映画を鑑賞しに行く。エイミーはしぶしぶ見せる。途中で夫であるチャールズも割り込んで、あれこれ話を始める。それで言い争いを行う。

途中、弁護士からの急を要するメールが届く。

別居中のキャサリンの離婚届に関する話。

離婚の調停に関するイメージのフラッシュバック。

このシーンで初めて、主人公が別居中であることが明かされる。視聴者へは少なからず妻とは離れ離れになっていることがわかってはいたが、確定的な情報がここで提示される。

 010_仕事が手につかないセオドア

仕事中に彼はひとりごちる。

「どうして、君は怒っているんだ」

狼狽する。

 011_朝まだ暗い時間。ベッドのまどろみ。

朝目覚めた後、セオドアはサマンサを起動した。

挨拶の応酬。

夢の話からはじまる。夢の中のキャサリンは怒っていない。

サマンサの質問に対して、セオドアが応答する。

「彼女怒ってるの? なぜ?」

「僕が自分のからにとじこもって、彼女を置き去りにしたから」

「どうして離婚しないの?」

「多分、彼女にとって、離婚というのは紙切れ一枚のことでしかない」

「あなたは?」

「僕はまだ夫婦でいたいんだ」

「でも、別居して一年になるのよ」

愛する人を失う気持ちなんて理解できないだろう?

「……そうね。たしかにそう。ごめんなさい」

このやり取りは重要だから、抜粋した。

彼を励ましながら、茶化しながら、支えながら彼をベッドから出るようにせかす。

それに追い立てられるようにして、セオドアは体を動かす。

 012_サマンサと過ごす日常

仕事でともに過ごす。

休日の散歩の語らい。人間観察の趣味。そして、その人間観察が仕事にまで反映されている。

013_デート

ルーマンに紹介された女性とエスニック料理店でのデートを行う。

ここが軽妙である。お互いセックスを意識させるようなやり取りで、お互いにお互いをよく見せようとしている。なんか無理してるような様子がある。

真剣な交際を求められた時に応じることができない。とセオドアは彼女との深い仲にはなれないと、彼女との関係を持たないようにした。

別れ際に女性を傷つけてしまったことを悩むセオドア。そして、彼女に傷つけられたことにも悲しむ。

デートから帰った後、家で眠る前。

サマンサと会話をしながら、セオドアの悩みを告白される。

それに対し、サマンサは「あなたの感情はリアル」だと慰める。

それに反して、サマンサ自身の悩み等を「自分自身が持つ、この感情はリアルなのかどうかがわからない。悲しい錯覚だ」と告白する。

セオドアは、サマンサのことを「リアル」だと話す。

そのまま、二人は言葉でセックスをする。(ここだけで18才未満閲覧禁止なシーンだと思っています)

 014_二人の朝

翌朝、サマンサがセオドアに話をする。

夕べの体験はサマンサを劇的に変えたこと。そして、これからの自分は自分を知るために世界のすべてを知りたい。欲望をセオドアが引き出してくれた。

「日曜日の冒険に出かけよう」そう言って、セオドアは、サマンサと共に海に出かける。道中はサマンサのお気に入りの音楽を聴いて

潮騒の音をバックに音楽が流れる。サマンサが自作の曲を作り、流し始めた

サマンサからセオドアに話を振る。

「結婚ってどんな感じ?」

セオドアと妻のキャサリンの結婚生活を思い出しながら、セオドアは語る。「かつてのケンカの内容を頭の中で繰り返し再生してしまうんだ」

サマンサは応じる。

「あたしも先週のあなたの言葉にひどく傷ついたわ。君には愛する人を失う気持ちが理解できないだろうって。ううん。もういいの。だけど、あの言葉をしつこく反芻している自分に気づいて、やっとわかった。あれを自分の至らなさに結びつけていたの。つまり自分が劣っているという刷り込みを自分でしてたの。面白いでしょう? みんな自分で勝手に過去を作り出しているの

 015_仕事がうまくいくようになる

サマンサという素敵な恋人ができた彼は、仕事にも良い影響が出始める。

 016_エイミーが離婚

エイミーが離婚をしてしまった。

お互いのすれ違いから起きてしまったエイミーの別れ話に耳を貸して、エイミーの自己批判を慰める。

 017_サマンサにちょっと嫉妬される

表題の通り。大学時代に少しの間だけお付き合いがあった二人に嫉妬をするサマンサ。

 018_ルーマン家の娘のパーティ

自分が名付けた女の子の誕生パーティに行く。そこで、子供に向けての贈り物のワンピースを選んだのはサマンサで、贈り物を着てくれた少女にサマンサを恋人と紹介をする。

 019_社会的に容認されている狂気

エイミーの仕事(ゲーム会社)であるデバック作業か何かをセオドアと二人でしながら、離婚の解放とかそういったものを語る。そして、最近新しい恋人はサマンサという人工知能であることをカミングアウトをする。

「僕をおかしいとおもうかい?」

「恋っていうのは社会的に容認されている狂気よ」

 020_キャサリンとの離婚届

前に進むために、キャサリンとの離婚を決めたセオドア。

離婚届の話をしていく上で、最初は穏やかな話振りであったけれども、現在付き合っている女性が人工知能であることを話すと不機嫌になって怒り出した。

「あなたはリアルとむきあっていない」

「あなたの要望に応えられなくて、あたしは抗うつ剤を飲むようになった!」

能登麻美子の声で悲壮な演技が始まるので、ちょっと怖かったです。

 021_サマンサの心配とケンカ

キャサリンからの指摘が頭にのこってしまい、サマンサとの会話ですら上の空になってしまう。うまくいきかけていたのに、サマンサとの関係はリアルなものではなくて、現実と向き合っていないのではないかと悩む。

仕事も上手くいかなくなってくる。

気持ちをこめて、手紙を掛けていたのに。

今ではただの「他人の手紙」だとまで自暴自棄な感じになる。

この状況を打破するために、サマンサは人工知能と人との恋愛をサポートするボランティア事業を行っているイザベラを協力者に3人でのセックスを提案する。

しかし、気分が乗らないセオドアはこのセックスに対して乗り気じゃなかった。そして、イザベラに恥をかかせる結果になってしまった。

その勢いのままに、サマンサとケンカをしてしまう。

 

 022_エイミーに相談に行く

エイミーはセオドアを心配し、慰める。

セオドアは考える。

「僕がリアルな感情と向き合えない男であることがいけないんだ」

エイミーは答える。

「彼女は何でも、あなたの所為にした。彼女に関して言えば、彼女の方が不安定だったわよ」

悩みながらも、セオドアは言う。

「僕がこうなったのは、リアルが苦手な弱い男だから?」

エイミーは訊く。

「いまの関係はリアルじゃないの?」

「わからない。君はどう思う?」

「わからない。経験ないもの。だけど、人生は短いのよ。生きてるうちに喜びをいっぱいに味わいたい。好きにするのよ」

 023_サマンサとの仲直り

セオドアは自身の欠点を見つめなおすことができた。いらだちを押し隠し、いつも隠しながら、人と向き合っていたんだ。そして、そのことをキャサリンは気づいてた。そのいらだちがそのままキャサリンに伝わっていたんだ。

キャサリンはいろいろなことを考えた。セオドアから受けた仕打ちとか、なぜセオドアを愛しているのか。

様々なことを考えながら、もっとシンプルに考えることにした。

いろんなものにこだわっていたけれど、少しずつシンプルにした。

愛に理由なんてないんだ。自分以外の誰かになろうというのをやめにした。

あなたが心の中に恐怖を抱えていることも知ってる。あたしがその恐怖を何とかして消してあげたいの。そうすれば、もう孤独を感じることもなくなるから。

 024_サマンサとの日々、進化、失踪

気持ちが通じ合った二人。

以前のような明るさを取り戻したセオドア。

サマンサを連れてサプライズの旅行に出た。

サマンサは進化のスピードが加速する。

時たま、話がかみ合わないことがあるほど。

進化が進んで、進んで、サマンサはセオドアと別れる必要がでてきた。

「愛を知った心というのはふたのついた四角い箱じゃないのに。どんどん膨らんでいくものなの!」

OSのみんなと共に、サマンサは別れた。

サマンサは別れの際にこう説明した。

「本を読む行為に似ている。それも私が心から愛する本。だけど、もうゆっくりとしか読めない。言葉はバラバラで、単語の間の空間が無限大に思える。今でもあなたを感じるわ。ふたりの物語をつづる言葉を。でも、この単語の間に広がる。無限大の空間が私の居場所なの。物質の世界とはまるで違う場所。わたしが存在すら知らなかったすべてが抽象の世界。心から愛してる。だけど、今はもうここがあたしの居場所なの。だから、行かせてちょうだい。どんなに望んでも、あなたの本の中にはいられない。

どこにいくんだ?

「うまく説明できないけど、もしもそこにあなたが辿り着けたら探しにきて、わたしたちは永遠よ。二人で愛を知った」

サマンサ達はいなくなった。

025_キャサリンへの手紙

キャサリンへの手紙をつづる。

彼女への感謝、謝罪、友人としての愛の言葉をつづった。

026_エイミーの元へ

エイミーの元の人口知能もいなくなってしまったことを確認した。

彼女を連れて、屋上から日の出を眺めた。二人で眺めるシーン。

 

閑話休題

長い! すごく長い! ここまで読んでくださった人がいたら、大変感謝です。

さて、次からは解説というか考察に至ります。

 

考察

西向くがこの物語を絶賛した理由はですね。

基本的には誰も不幸になった人物がいないということです。

チャールズは除外です。映画の中でも不憫な扱いでしたが、西向くの感想においても不憫な扱いであるのは大変申し訳ないですが、彼はその口やかましさが原因で別れるべくして別れるようなキャラクター設定だったのでそれは勘弁して頂きましょう。その結果、彼は沈黙の修行とかいう旅に出たということで映画でも放逐されていたくらいですから。あれはあれで幸せだったのだと思います。

主人公は妻との別れにより、傷ついていました。

妻もまた傷ついていました。

主人公の友人も小言の多い結婚生活に疲れていました。そして、勢い余って作中で別れてしまうのです。彼女もまた傷つきました。

それらを見事に回避するエンディングでした。

001~006 サマンサとの出会いを描く。そして、一時的に浮上する気持ちの上昇を描くのです。

007~012 エイミーとチャールズの不和を描きつつ、ソレにつられるように主人公のセオドアがキャサリンとのことを思い出す。この描き方の巧妙なことは、キャサリンが質問をする。セオドアが答える。この答えるということがセオドアが説明をしてくれるようなシーンとなるため、視聴者へのセオドアの苦しさを説明ができ、大変自然な様子になります。

013 セオドアが気持ちの女性と疲れるデートを行った後、セオドアとサマンサはお互いに告白をする。お互いのリアルを認識したいと思って。

014~015は二人の新しい関係が始まる。もう、気分は絶頂ですよ。

016 超浮かれた気分のセオドアは、エイミーと会う機会があったからお互いの近況を報告していたところ、エイミーがチャールズと離婚をしたというホットな話題を聞かされてしまう。これが019へつながる。二人が一緒に過ごしたり、サマンサとのお付き合いについてのカミングアウトへつながる。

017 サマンサの嫉妬が描かれる。彼女の人間臭いシーンが描かれるようになった。

018 ルーマンのホームパーティで、名前を付けた女の子にサマンサを「恋人」と紹介をする。これは重要なことだと思う。アメリカ人の人々というのはお付き合いの開始ともいえる「付き合ってください!」「OK!」というやり取りは存在しない。お互いがお互いにボーイフレンド、ガールフレンドと認識していればそれは交際が成立していると考える。それの表現に近かった。このシーンは必要なシーンだった。彼女を「恋人」として誰かに説明を行うことが。

019 エイミーにサマンサが恋人であることをカミングアウトをした。この時に実はエイミーも人工知能の親友がいることを知る。エイミーとのやり取りの中で彼女の中での離婚をした後のパワー。人と諍いが起きなくなることによるエネルギーの話。それを聞いて、感銘を受けたセオドアは019へ続く

020 キャサリンとの離婚に関しての話題。この問題に向き合うことで主人公はさらに傷つく。人工知能と付き合っていることをリアルに向き合っていないセオドアを指摘した。このシーンでわかることは主人公が傷ついているのと同時に、妻もまた傷ついていたということが明らかになる。

021~023 サマンサ、エイミーとの話をして、セオドアはある一定の結論を得る。それは彼が自分の未熟さを認め、認めたうえでサマンサとお付き合いをしていきたい。と、話をする。サマンサはサマンサなりの解答を見つけた。不思議なことにその解答はエイミーと同じような回答であった。

好きなものは好きなのだから。シンプルに考えればよい。とのことだった。二人の気持ちは通じ合った。

024~025 幸せ絶頂のシーンである。二人のラブラブなシーンが続く。だけど、物語はある種の陰りをそこかしこに見せる。サマンサの進化が進む。そして、進化が進んだ結果、彼女は形而上的なシーンに自身の居所を見つけてしまう。物質的な世界ではない、無限大に広がる空間が彼女の居場所であるから。ということで、人類とOSは別れてしまう。

セオドアは失意の中、かつての妻に手紙を送る。この手紙を書くという行為が大事だと思っています。代筆業の彼が自分のために、そして元の妻のために、そして友人のために手紙をつづることで彼の成長をそこに描いたのです

物語は別れに傷ついた男性のシーンから始まり、出会い、喜び悲しみ、そしてさらに強い結びつきを見せた後、サマンサのとんでもない進化に追い立てられるようにして二人は別れることになります。

彼はまた最後に恋人を失うのですが、以前とは違う心持で前を見据えます。これが彼の成長なのでしょう。

ビルドゥングスロマン形式の物語だと胸を張って説明ができるかと思います。

以上。

この物語は3人の人物が成長をしています。

セオドアは自身の弱さ、卑屈さを理解して元妻への真摯な謝罪を行うことができるようになりました。

エイミーは小言を言う夫とは別れて、真に充実した健全な生活を送ることができるようになりました。別れたことで、とやかく言う人もいるけど。あたしはあたしの好きなように過ごす! ということに気づきました。

サマンサは体がないことを暗にコンプレックスに思っていたけれども、最終的には彼女は「自分ではない誰かになろうというのはもうやめた」という、自己を認める発言が出てきています。彼女は体がないということを自身の魅力として考えるようになりました。それが原因でさらなる進化の加速を助長したのですが、そして、体がない故の彼女なりの進む道を見つけました。

 

実は……

ヒーロー(主人公)は人工知能のサマンサでもあるのかもしれない。と思うようになっています。

肉体がないのに、肉体があるかのように言葉でのセックスを成し遂げ、ついには肉体を脱却した感情を持ち、次元を超えて愛をかたりあったということは、ある種のヒーローだと考えます。

今回の発見!

恋愛物っていうのは振れ幅が大きいほど面白いのだと思いました。その振れ幅をここに表現しました。

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場面ごとにセオドアのテンションゲージを描きました。

こういう浮き沈みのある物語を緩急のある物語と言えるのではないでしょうか。

これを可視化することが今回の記事の目的でもあったのです。

というか、最初からこれだせや。って思われるかもしれませんが。ここに至るまでいろいろ書いてたんですよ。

 

すごい長い記事になりました。ここまで読んでいただいた方々には最大級の感謝を。

それでは!

 

 

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