パターン4:もう一人の自分

 皆さんこんばんは。

 長崎はやはり寒かったです。風はまだ冷たかったです。先日は勘違いの暖かさだったようです。

 西向く侍です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 以前に紹介した本のパターンに沿って、それぞれの梗概を作成していくという企画の4本目です。

 100本のうち4本目です。まだへばるわけにはいきません。

 今までの記事はこちらです。

 こちら→ 梗概100本!

 パターン4の概要はこちら!

 こちら『図解でわかる!エンタメ小説を書きたい人のための黄金パターン100』 

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 出典:榎本秋(2011).『図解でわかる!エンタメ小説を書きたい人のための黄金パターン100』株式会社アスペクト

 「もう一人の自分」というテーマってなんだか、声に出してみると恥ずかしいですね。

 中二病チックですよね。

 暗い舞台の上でスポットライトが演者を照らす。そこには瓜二つの二人が並んで葛藤をおこすのです。

 よく、漫画とかアニメでも使用される「天使と悪魔のささやき」みたいなものでしょうか。あれは自分の中の小さな葛藤ですよね。キャラクター中の善なる考えと悪なる考えがせめぎあうのでしょう。

 あれもちょっとしたもう一人の自分との戦いと言えるのかもしれません。しかし、具体的な成長をそこに結び付けてるような書き方をしていなかったりするので、ちょっとした試練のエピソードとして考えてよいのかもしれません。

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 物語の冒頭に善なる心と悪なる心の葛藤を描き、悪なる心に流れていた主人公の惰弱な心が、物語後半においては強い決意でもって善なる心に依る。これは一種の立派な成長と言えるのでしょう。

 「もう一人の自分」の大事なところ

 人生はいつも選択です。

 選択の余地がなく現在の状況に陥った人というのは、現状に従うという選択を繰り返してきたということだと思います。

 そこの選択を再認識する物語というのも大事なのかもしれませんね。

 

 西向くの梗概(オリジナルストーリだよ!)

 タイトル:子供失格

「息子君は失敗したから、廃棄なの。バイバイ」

 いつからか、お母さんの優しい声が少しずつ冷めているのがわかった。突然、ひやっとするような声音で両親はしゃべる。そして、この時の言葉は冷めてるなんてものじゃなかった。殺すことを決意したというか、捨てることを合理的に判断していたというか。なんだかそんな感じ。

 結果、僕のバックアップと僕は交換された。国が指定する施設だとからしくて、僕のバックアップがあと二人はいるそうだ。今両親と暮らしているのはバックアップ1号君。施設ではオリジナルの僕と、2号と3号で過ごすようになった。

 僕は一人っ子だと思っていたけど、僕の知らないところで兄弟が過ごしてたみたいだ。突然3つ子になったような感じ。

 僕はオリジナルだから、彼らからは「オリジン」と呼ばれた。

 オリジナルと複製は基本的には仲が悪いらしいんだけど、僕と2号、3号は特別仲が悪いということはなかった。最初は区別がつかなかったけど、目を合わせてくれないのが2号、ちょっとはしゃいでうるさいのが3号。入れ替わってしまった1号はそつなくこなす優等生だったようだ。

 両親のことを忘れて、しばらく施設で過ごした。ここには僕と同じように両親の意向に沿えなくて捨てられた子供たちがたくさんいた。いろいろと探していたら、ちらほら昔の友人とかもいたりして寂しくなることはなかった。

 ある日1号が憔悴しきった様子で送り返されてきた。

 次は2号が家に向かった。数日後には2号が死んだことを知らされた。自殺だったらしい。

 施設の職員がオリジンである僕、1号、3号を集めた。

 四人で顔を突き合わせて話をした。

「オリジン。君の両親はいったいなにものなんだ?」

「彼らは完璧主義者です。子供にも完璧を求めます」

 不出来なものは罵られるんだ。

「お前の代わりはいくらでもいるんだからな」

 これが両親の決まり文句だった。

「・・・・・・1号でダメだとするなら、正直どうしようもないと思う。1号は心が壊れる前に撤退を決めることができる柔軟性をもっていたし、2号は抱え込んで自殺をするような生真面目だ。3号に至ってはとてつもない破壊衝動の塊のような奴でもあったりする。3号を送り込んでみろ。次は君の両親が殺されるかもしれない」

 一緒に長く暮らしていた両親だ。殺されるのは忍びない。

 それも残念であるということを考えて、考えて結論が出た。

「僕たちのことは諦めてもらおう」

 僕と同じ顔をした1号と3号は僕を見つめる。

 僕はみんなに説明をした。僕らのことは両親にとってなかったことにしてもらい、僕たちの弟か妹か、完璧な子供を作り直してもらおう。ということでカスタムチャイルドのパンフレットを送ることを施設職員に打診をした。彼らは彼らで職務怠慢などと僕の両親に騒ぎ立てられなくて済むということもあって手続きはとんとん拍子に進んだ。

 現在の日本においては遺伝子操作を施していない子供はそもそも就職や進学に障りがあるらしいのだから、これを機に僕たちのようなナチュラルベイビー及びクローンベイビーは幕を引いて、カスタムチャイルドに座を譲ろうかと考えた。

 数年後に生まれてきた弟と妹たちの世話を施設で行いながら、度々入れ替わる弟、妹たちをあやしたり、すかしたりしながら僕は考える。

 窮屈な両親を捨てる方法というのはこれが最適だったのだろうか。そんなことを後悔交じりに考えたりする。

 ある日、1号や3号から言われた。

「たぶん、一番の化け物はお前だったんだよな」

 化け物のクローンから言われて、「そんなことないよ」と否定をしながら弟や妹の面倒を見ている。

 そろそろ施設の暮らしも窮屈になってきた。

 そんなことを思う。

 思いつくままに書くのです。

 性格や育ち方、体格、人間の性質なんてのは生活の環境に大きく左右されるようなものだと思いますからね。

 クローンだと言っても全く同じ人間ということはなかなかあり得ないのでしょう。

 化け物の両親に育てられた主人公が一番の化け物ということでしょうか。

 化け物として育ちながら、化け物とは無縁に過ごしていたクローンたちをいぶかしむ、ねたむ主人公というのを描くことがこの物語の主眼になるでしょう。

 僕も彼らみたいになれたのかもしれない。そんな悔しい思いを持ちながら主人公はそこで過ごすことになるんでしょうね。実はカスタムチャイルドというのは私が考えた話ではなくて、作家の壁井ユカコ先生が書いている作品たちにちらほらテーマとして組み込まれてるギミックだったりします。

 作品を一応紹介しておきます。

 壁井ユカコ先生と言えば電撃文庫のキーリシリーズからデビューをし、様々な分野でご活躍をされていますが、メディアワークス文庫創刊の時期にカスタムチャイルドの新作が出た時には若き西向くはうれしさのあまり、絶叫をしたものです。

 

 次のパターンは「マイナスからの復権」です。

 次もよろしくお願いします!

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