パターン7:信念・信仰の崩壊と再生

 千里の道も一歩から。

 パターン7までやってきました。

 西向く侍です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 100本のうち7本目まで来ました。

 全然更新をしていないので、西向くの生存確認の連絡が複数いただきました。

 案外西向くの安否を気にして下すってる方々が多いというのを知り、涙ぐみました。

 

 今までの記事はこちらです。

 こちら→ 梗概100本!

 パターン7の概要はこちら!

 こちら『図解でわかる!エンタメ小説を書きたい人のための黄金パターン100』 

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 出典:榎本秋(2011).『図解でわかる!エンタメ小説を書きたい人のための黄金パターン100』株式会社アスペクト

 

 

 質問:そもそも信仰ってなんですか?

 

 良い質問です! しかしながら、そんなこと自分で調べろ! って言い放ちたいのをぐっとこらえて、西向くは頑張りますよ。

 こういう時はだいたいWikipediaをみればよいのです

信仰(しんこう、英語 faith)とは、

 などを信じること。また、ある宗教を信じて、その教えをよりどころとすること。

 人やものごとを信用・信頼すること。

 証拠抜きで確信を持つこと。またそれらを信じることを正当化する要因。

信仰のことを仏教においては「信心(しんじん)」と呼ぶことが一般的である。「信仰」と書いて古くは「しんごう」と読んでいたこともある。

また比喩的な用法として、何らかの対象を絶対のものと信じて、疑わないことを指すこともある。

貼り付け元  <https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%A1%E4%BB%B0>

 

 質問:Wikipediaを根拠なく信ずるのは信仰と言えますよね。

 断言ですね。質問じゃなくて、断言ですね。先生はつらいです。

 先生が悪かったです。だから席についてください。

 

 質問:ずばり魅力の理由はなんなのでしょうか?

 先生は長いこと考えていました。この魅力を探る理由として考えるには宗教というものを考えていく必要があるのではないか? と考えて、色々調べて、考えてみました。

 結果としては、すいません。

 よくわかりませんでした。

 わかりませんじゃ、いけないのでしょうけど、わからんものはわからんのです。

 

 神様がいるか、いないか。わかりません。

 しかしながら、自分が見たものしか信用しないという狭量な了見であるとしたら、世の中は大変生きづらい。

 生きづらいから、人は何かを信じているのかもしれません。

 もしくは、みんなが何か信じてるから自分も同じように信じてる。

 そんな感じでしょう。

 宗教はより良く、生きやすくするために存在してきました。

 そんなものでしょう。

 このテーマは「何かを失って、何かを手に入れる」という王道を踏襲している物語パターンであることがその魅力だと考えます。

 このパターンは別段、信仰に限る必要はありません。

 愛でも、友情でも、武器でも、プライドでもなんでもよいのです。

 それの一つのパターンが心の拠り所であった宗教であるものなのでしょう。

 

 負けっぱなしは嫌ですもんね。

 

 質問:先生負けっぱなしですもんね?

 えい、貴様失礼だな。立っときなさい。

 

 西向くの梗概(オリジナルストーリだよ!)

 タイトル:死の旅

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 フタツは逃げていた。

 彼というのか、彼女というべきか判断がつきにくい存在であるフタツはなりふり構わず逃げていた。

 彼の親――ドクターは何かよくわからない神様を信じていたが、自殺は許されないからフタツに自分を殺させた。

 ドクターに指示されるままに彼を終わらせた。

 彼の指示がなくなって呆然としたフタツは自分で自分の身の振りを決める必要があったし、むざむざと捕らえられるつもりもなかった。ドクターの知り合いたちにいくつかのメッセージを遺して、ドクターの弔いもろもろをよく頼む旨を遺した。

 弟と妹達には事情を説明した。彼らはフタツにはついていかずにドクターの親類に引き取られることを望んだ。

 フタツは自分の活動限界を理解していた。

 彼は活動限界まで逃げぬくことを決意し、家に火を放って逃亡した。

 弟妹達の誰かが逃げ遅れて、自分が死んだことになってくれないかと願った。

 

 フタツは人に紛れて暮らしはじめた。

 見た目は少年か少女か言われるような顔つきだから、まともなところでは働けなかった。いろいろと仕事を探していたら、酌婦として雇われた。

 マスターはフタツを店に住み込みで働くことを許してくれた。

 店ではドゥと名乗らされた。

「なぜ、名前を変える必要があるの?」

「夜の店っていうのはね。後ろ暗い奴もいるんだよ。だから名前を変える」

「僕の名前は誰が覚えていてくれるの?」

 マスターはフタツの不安を理解した。

「家族はいないのか? 頼れないの?」

「いたけどもういない。弟や妹達がいたけど、もう会うのは難しいと思う」

「うーん。じゃあ、仕方がない。とりあえずは俺が覚えといてやる。この店ではドゥと名乗れ」

 フタツはドゥと名乗り、女性としてふるまいながら働いた。

「僕」という一人称は改めて「あたし」という言葉使いに変えたし、足りない胸はちょっとパッドを入れて大きく見せた。客への酒の注ぎかたや話の聞き方を教わった。

 三ヶ月経ったころだった。

 客の多くは男だった。胸や尻をまさぐられたけど、どういう意味かを考えながらじっとしていたら相手はすぐに謝罪をして、手を引っ込めた。

 マスターはそんなフタツの様子を見ていて心配した。

 店を閉じた後、マスターは質問をした。

「ドゥ、君は男を知っているか?」

「男? 男っていうのは知ってるけど」

「いやいや、ごめん言い方が悪かったね。男に抱かれたことはある?」

「ん? なんで?」

「ドゥはそういった性的なモノが希薄な感じがしたんだ。胸を触られても、尻を触られても反応が鈍いというか、なんか考え事してるみたいでさ。言い方が悪いけど、ちょっと客がビビってる節があってね」

「うん。実はあたしも考えてた。なんでお客さんはあたしの詰め物が入った乳をまさぐって、尻を撫でまわすんだろうかってね。まだあたしにはわからない」

 マスターは気づいた。

 たぶんはこいつは処女だと。そういった性的なもろもろを一切理解しないままに生きてしまっていた。

「わかった。ドゥは性教育を受けるべきだ。社員教育だ。ドゥは女らしさを知ってほしい」

 マスターはフタツを家に連れ帰り、嫁に指示をした。

「うちの店で働いているキャストだ。女のもろもろ一般を教えてやってくれ。こいつは何も知らない。お前も十分もの知らずだが、このキャストはお前よりもものを知らない。そして、俺はお前以上に女を知らないから。よろしく教えてやって」

 フタツはマスターの嫁からいろいろ教えてもらった。

 人が産まれてくるに至るまでのプロセス、女性らしさ、男性らしさ、らしさにつながる社会的な役割。そういったことをゆっくり教えてくれた。

 

「女の人は子供を産めるの?」

「そうよ。産めるのよ」

 奥さんの話を聞いて、フタツは驚いた。

 おそらく、ドクターも同じように産まれたのだろう。分娩台でお母さんから産まれたのだ。

 自分ができた時のことを思い出した。禿頭を照明で光らせて、嬉しそうに覗き込むドクターを思い出した。

 視界を広く取ろうとしたら、既に起動しているヒトツと目が合ったのだ。

 ヒトツは嬉しそうににっこり笑うとなぜだか自分もにっこり笑った。

「奥さん、あたしも子供が欲しい!」

「旦那様がいないと子供はできないわよ。それにドゥは生理もきてないじゃないの。ちゃんと女の人になったらね」

 

 フタツは自分でそんな風に言いながら難しいことは分かった。自分には子宮はない。どういう利用を想定してたのかわからないけど、穴も棒もある。ドクターの仕事ぶりは忠実だったらしい。

 自分に子供はできない。次世代は残せない。ドクターはなぜ子宮を作ってくれなかったのか。

 ドクターはなぜ死にたがったのか。

 ドクターはなぜあたしに殺させたのか。

 ドクターはなぜ、なぜ。

 いろんな気持ちがフタツを襲った。

 涙があふれるように作ったドクターが忌々しく思ってしまった。

 奥さんはフタツをよくよく慰めた。

 

 

 フタツは気持ちが落ち着いたあと、マスターに暇を願った。

「なんでまた? 酌婦は飽きたね?」

「ちょっと、神様のことでも考え始めて」

「宗教に目覚めちゃった? 修道院でも入るの? お酒飲めないよあそこ」

 フタツは心外だった。酌婦の業務上、お客様のご相伴を預かることも多々あった。アルコールは好きだったので、むしろねだったものだ。店内でのドゥの飲みっぷりはなかなかの高評価でもあったのだ。

 こんな子供に飲ませてよいのか? と言われるも、じゃあこんな子供に酒を注がせているのはどうなんだ? という言葉がそのまま帰ってくるようになってからは誰も文句を言わなかった。

 しかし、お酒が飲めないというのもいろいろと思うところがあったので、考え方を変えて。

「お休みをください」

「あい、お休みを差し上げよう。どれくらい欲しいのよ」

「二週間ほどです。最悪、帰ってこない可能性もあります」

「事情は聞かせてくれるね?」

 フタツは自分がドクターを殺したこと、家に火を放って逃げたこと、残してきた弟や妹が気がかりになってきたこと、自分のことを知りなおしたいと思ってドクターの知り合いに連絡を取ろうと考えていること。

 一通りを聞いた後、マスターは渋い顔をしながら了承をしてくれた。

「春ごろの山火事はお前が下手人だったのか」

「そこまでご迷惑になっていたのですか。全然悪いとは思っていませんが、謝っておきます」

 フタツはドクターの知り合いたちを訪ね歩いて、自分のルーツを探す旅に出る。

 一人目の知人ではヒトツの作成及び廃棄について。

 二人目の知人からはドクターの家族のことを。

 三人目の知人からはドクターの計画を聞き及んだ。

 被造物であるフタツが造物主のドクターを殺すことが可能かどうか。

 人の死を理解できるか。

 多くの人達が自分をずっとモニターしていたこと。

 感情の揺れ動きすらも見られていた。

 そして、最初に犠牲になったであろうヒトツを思って、フタツには行き場のない怒りが発生した。そして、弟妹達のことを思うといたたまれなかった。

 フタツは激情のままに暴れたい気持ちがあった。しかし、フタツはそこでの気持ちを抑えて再びドクターたちの元を去り、店に戻った。

 フタツはドゥと名乗り、燃料がなくなるまで働いた。

 

 

 

 SFというのを初めて書きました。

 フタツは少年なのか、少女なのかそこらへんのところを少しぼやかすような感じで書きぬくことで、レズ、ショタ好みの層を取り込めそうなものにできるかもわからんですね。

 次のパターンは「群像劇」です。

 次もよろしくお願いします!

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